ちょうどこちらに越してきた2年ほど前からか。山梨にいる友人が狩猟で獲った鹿肉や猪肉を「どう?」とオファーをくれ、時折分けてもらえるようになった。
最初でこそ、部位に分けられたお肉を送ってもらったが、その内彼も「そのまま送るよ」と。以降だいたい届くときは前脚1本、後脚1本まるまるといった感じだw。2本同時に届く時なんかは重さが12kgほど。冷蔵庫の1段に、それぞれの脚を交差させて収納すればちょうどよく入ってくれる。これまで想像もしていなかった冷蔵庫の中の景色である…w
自分でお肉をひらいていくとなって、すぐにモーラナイフを手に入れた。家庭用の包丁では勝手が悪い。
一番最初はやはり時間がかかった。YouTubeで予め勉強したものの、ナイフの入れ方や筋膜や筋の掃除の仕方に苦戦した。それでも何度か回数を重ね、多少は進歩をみせているように思う。早く解体してあげることが、せっかくの命を大切に頂く第一歩なのだ。
↑ これは妹と二人で作業しているところ。うちの散らかりについては目を瞑ってほしい。
友人は解体したその日に、私に譲ってくれる分を冷蔵で送ってくれる。届くのは翌日。本当に新鮮なお肉である。各部位に分け、筋膜を掃除すると、深いガーネットのお肉があらわれる。きめの細やかな肉質で本当に美しい。
必ずタタキで最初はいただく。そしてローストとレアカツ。これも絶対である。新鮮だからこそできることを最大限にし、その自然の恵みを享受したいと思うからだ。
害獣駆除で捕らえられる命。昔の様に人間が山に手を入れなくなったり、彼らの住める場所を奪ったり…。居住バランスを勝手に崩したのはこちらなのに、勝手なものである…。などという議論は巷にあふれている。私はこんなことを語る気はない。しかし、だからこそ私はこのお肉を最高に美味しく頂戴する。そのことだけに集中するのである。それだけが私の責務なのだ。
毎回少しづつスパイスの配合を変えて作っている鹿カレー。どれも美味しいが、リピートしているのは、マスタードシードを効かせたサラっとした南インドイメージのカレーと、タンドーリカレーの2種。しかもタンドーリは漬け込んだあと炭火で焼いてから煮込む。この焼きがまた旨い。
一度だけ、鹿ボーンブロス(骨出汁)をとった。これは相当手間がかかった。なかなか思うところまで味が出せなかったことと、そもそも寸胴がないので限界があった。この時つくったブロスは濃厚な鹿シチューのベースにした。
そして、残った骨は……
モシャモシャ食べてくれる。ディーナも歳なのに良い食らいつきだったw。
本当にありがたいことである。いつも手間をかけ送ってくれる友人に感謝であるし、命を分けてくれる鹿や猪たちにも感謝だ。ありがとう☆
着実に私の身になっていっているよ…(爆