随分ひさびさにこのブログを開いた。更新したいと頭では思っていても、怠惰が勝ってしまって…。
これからはまたちょくちょく書いていく。意思を持って!(笑)
今年からはじめたライターの仕事は半年で卒業となった。実質、クビになったのだけど。
面白い仕事だった。仕事内容は、他の人がとってきたインタビューを記事にするというもの。人物にフォーカスしたインタビューで、その人物の魅力を取り上げることで読者が鼓舞されるような記事を書く。
インタビューのやり取りを何度も何度も聞いていると、会ったこともないのにその人が浮かび上がってきて「会ってみたいなぁ」「一緒に酒呑みながらいろいろ聞いてみたいなぁ」と思えたものだった。
その人の印象を決めてしまう可能性もあるからこそ、ものすごく時間をかけて書きあげていた。大変だったけど楽しかった。良い経験になったし、たくさんの出会いをいただいたような気がする仕事だった。(報酬には見合わなかったけどw)
仕事終了の少し前に、我が自治体の生涯教育プログラム的なものの中に”ライティング講座”を見つけた。しかも講師をされる方が有名なルポライターで、私も著書を2冊所有している。
「これだ!」とばかりに申し込み、参加することができた。
講習のテーマは「人に伝わる文章の書き方」
様々な文章のうち、読み手がいるもの”手紙・投書・原稿…etc”をどう書くかという講座で、書くにためにどう思考を整理していくか、構成を考えるか、そして技術的なことも含め大変勉強になった。実際に800字の文章も書き、参加者同士で感想を交換するという実践もあった。
「よし!この学びを活かしていこう!」
というところで、仕事がなくなってしまった(笑)
講習で先生が仰っていたのは「とにかくテーマをもってたくさん書くことが、文章がうまくなる第一歩」ということだった。せっかく持っているブログなのだから、私はここで研鑽を積んでいかねばならない。
しかし、ブログというのはどういう文章タイプになるのだろう。基本は日記であるはずだ。だが、ネット上で不特定多数に公開している以上、少なからず読者が生まれてしまうことは書きながら意識される。やはり”伝える”という側面の方が強いのだろうか…。
(↑のパラグラフで、「しかし」「だが」と逆接の接続詞を続けてしまうあたり、人が読みやすい文章を書く人がやることではない)
これからこのブログを活性化させていく!という宣言をしておくw
↓は、講習で書いた私のエッセイ。頂いたテーマは「最近気になること」文字数は800字。
生い茂る木々
夏になった。自宅近くの道路脇に生える様々な木々が、青々と枝を伸ばし、影をつくっている。ただ、今年は影の濃さが違う。一昨年までは、もう少し光の抜ける明るい影だった。今は木々が鬱蒼として、フェンスを越えるまでの枝葉が邪魔に思えるほど、密度が濃く見通しが悪くなったこの道路脇の土地。
「誰が手をいれるのかな、これから…」。
犬と一緒にその影で涼みながら、寂しさ半分、最近思っている。
一昨年まで、ここに手を入れていたおじいさんがいた。草木いじりがとにかく好きで、自分の土地でもないのに喜んでそこを手入れしていた。かつては西武の土地である裏山も開拓して、きちんと歩ける道を作って散策ができるまでにしたとか(笑)
おじいさんが、山桜や椿などの樹木を除いた雑木や雑草、増えすぎた花木などの間引き、伸びすぎた枝葉の剪定などをしてくれていた。ゴミが捨てられれば、「1個ゴミがあると、みんな続けて捨てていくからね」と、すぐにフェンス内に入り拾っていた。こんな感じで、結構な急斜面を、80歳を超えたおじいさんがひとりで管理していた。
誰にも手をかけられなくなって二回目の夏。こんなにも変わってしまうんだなと思った。いつしか、ゴミも捨てられるようになってしまった。おじいさんを見習って拾いにいきたいと思っても、もう中に入ることさえ困難だ。
椿が咲き、木瓜と木蓮が散ると、山桜が咲いて大手毬。冬の終わりから春にかけては、歩いていて気持ちが弾むところだった。だけど今年は、椿につる性の雑草が覆いかぶさり、木瓜は他の雑木に浸食され、それまでの美しさを見せていなかったように思う。
心地よかった時に、心地よかったことには気づかないものなんだな…。春先の美しい花々も、秋口の暖かな木漏れ日も、おじいさんが手をいれてくれていたからこそだった。
この夏のひんやりとした緑濃い影も悪くはない。でも、木々の間を風が抜け、夏の強い日差しがまだらに交じる淡い影が恋しい。
(文字数:804)