歳をとったなと感じて…

歳をとったなと近頃感じる。一番のきっかけは、久々の海外旅行の準備段階だった。

我々夫婦の旅行は航空券だけを取り、あとはざっくりとしたスケジュールの中から先んじて確定しておかねばならないことだけ決める。今回もレンタカーと国内フライト、乗馬体験の予約、初日と最終日の宿だけは決め、行程を詰めることなく出発した。

行程が決まってないことについての不安はない。ただやたら心配したのがトラブル関連のことだった。

歳をとったと感じたのは、この「やたらの心配」である。若い頃であれば、旅行は楽しいことだけを期待しウキウキと出発できる。だが、この歳になるとトラブルが起きないよう用意をしておくことに気も時間も取られる。

例えばレンタカートラブル。前回の旅行の際、レンタカーで保険加入の強要があり(その時は断固として拒否してやったが)、今回はそういう事が無いようにといろいろ調べたら、様々なトラブルがあることが分かった。いかなるトラブルも避けたい。入念に調べ上げて予約を完了。さらに想定されるトラブルに対応できるよう、約款を読み込み、保険に関しても完全に理解しておいた。必要な書類は全てコピーして持ち込む。

国内移動のLCCについてもトラブルが多い。これも調べるのに時間を費やしてしまった。今となっては必要な時間だったのかどうか…。

そして自分でも驚いたが、なんとひったくりの心配までしてしまったのだ。絶対に若い頃なら1ミリも、イチミリも!気にすることが無かったことである。パスポートの持ち方、お金の持ち方を考え、これまた新しいバッグとミニ財布、携帯電話のひったくりが多いことから身体にフィットする携帯ストラップを購入した。

このようにやたら心配をし、時間も費やして少々のお金も使った。先を想像し、備えをすることは決して悪いことではないだろう。物事に慎重になり、大人になったと言えることなのかもしれない。しかし何となく、若い頃の様にただただ目の前の期待に心躍らせることができていた時代に未練を感じるのだ。

もともと隙があるタイプでもない。英語もそれなりにだし、言いたいことはガッツリいう方だ。トラブルがあっても対処できる自分だろうと思ってはいるのだが、若い頃の様に面倒に立ち向かう体力、そこに自信がないのかもしれない。

歳をとったと感じた年末年始。

シンプルに紅白歌合戦が面白くない。昭和の貫禄ある歌手の方々が恋しい。そして正月が明け、ニューイヤー駅伝から箱根駅伝の3日間がとにかく楽しい。駅伝を見てハラハラし、頑張れーってどの選手のことも応援し、選手一人ひとりのストーリーにホロリとしたり。昔は駅伝はオジサンの見る物だと思っていたのにw。

そしてつい先日の成人の日。二十歳の子達のインタビューで「親に感謝したいです」などの定型のコメントが。二十歳の親への感謝と、親を亡くしたあとの感謝はまた異なることを知ってる、そんな歳になっている自分に気づいたり。

そして一番大きく歳をとったことを感じさせられたのが、1月1日に起こった北陸での地震である。

今も増え続ける犠牲者の数や、被災地で大変な生活をされている多くの方々のことを考えると心が痛くなる。珠洲市には角居調教師の営む引退馬の牧場があり、人も馬も大丈夫か心配になった。福井県に住んでる叔母には地震直後にすぐに電話した。若い頃はこんなに人の事に心痛めたり心配をすることはなかった…。

テレビをつければ連日のように地震取材の様子が映る。余震の中インタビューをしている記者を見た時に、ふと思い出した。

2007年に起きた中越沖地震のとき、我が殿は被災地に地震の直後から仕事の応援部隊として数日派遣されたことがあったのだ。

当時、全く心配なんかしなかった。

若かったという一言に尽きる気がする。今もし北陸に派遣されることがあれば、それなりに心配する。そのことに気付いて「あぁ歳をとったんだな」と…。

この場をかりて、この度の未曽有の災害に際し被災された方々に心よりのお見舞いを申し上げます。

 

もちろん歳を感じるのはこれだけではない。脂肪の付き方も変わったし、しわもシミも増えた。外見的な変化を自分で感じていながら、矛盾するように自分だけはまだ若い気でいるのも事実。

先日、高校の同級生が遊びに来ていて、テレビを見ながら↓のような会話に。

私:「えー同い年なん!?この人すごい老けてない⁉」「最近いつも自分もこんなに老けてるのかなぁ⁉ 自分はこの人よりは絶対に若く見えると思う、って思っちゃうんだよね」

友人:「分かる分かる!自分より年下の人でも、自分よりも年上に見えることもあるよ、最近」

私:「やっぱり⁉ でも、他人から見たらあたしたちも相応に見られてるんだろうね(;´д`)」

友人:「そうなんだよね(笑) 若いと思ってるのは自分だけっていう~」

 

心配することが多くなっていく。そんな自分にもどかしさを感じる。しかし歳をとるとはこういうことなのだと感じ始めている四十路+1である。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です