落馬したこと

先日乗馬クラブでのレッスン中、男性が落馬するのをみた。乗馬の練習において、落馬するのは特段めずらしくもない。この男性も”安心してみていられる落ち方”をし、怪我もなかった。

かつて私も落馬をした。2019年のこと。ただ、この時は怪我を伴っている。肋骨を6か所(4本)、折れた肋骨が肺を傷つけて血が溜まる肺血胸という症状もあった。

落馬について以前から書こうと思いながら、考えば考えるほど特に”落馬を経験したからこその教訓”的なものに行き着かず、ただの落馬自慢になりそうで書きあぐねていた。今も書きあぐねている。

どうも道筋がたてられないので、時系列に思い出すがままに書き連ねてみる。書きながら私自身、その経験を整理してみたい。なので、読みづらさはご容赦頂きたいw。

冒頭の画像は、折った骨のレントゲンを見て描いたものだ。左側2か所のうち、上の骨はズレていて、今後もつながることはないw。

落馬をしたのは2019年6月26日。乗馬をはじめて約2か月、ちょうど20鞍目だった。私の通うクラブでいうところのベーシックAというレベル(軽速歩まで)で、その日は2鞍連続でそのレッスンをとっていた。

落馬した時に乗っていたのはサラブレッドのせん馬(牡馬)で、この時はじめてパートナーとなった。一鞍目(19鞍目レッスン)、彼ならではの独特なリズム感に戸惑った。馬それぞれに違いがあることを教えられた一鞍目だった。それでもこのレッスンで、指導員には「もうすぐベーシック馬場ですね(上のクラスに上がっても)」と声をかけてもいただいた。

続く二鞍目…、

一鞍目に続き、私にとって初めてのフワフワ感覚の軽速歩の中、彼がつまずいたのは分かった…。

対処できなかった。

落馬。馬の上から半回転して内埒に脇腹~背中をぶつけるような形で落ちた

落ちていく意識はゆっくりだった。鞍から大きくお尻が離れ、同時に馬の背が自分の真下から抜けていったのも分かった。「あぁこれは鞍上には絶対に戻れない」。身体が回転するのを感じながらドスっと…。苦しい…。

落ちた衝撃で肺が圧迫されたんだと、その時は思った。息が出来ない。

横向きに倒れたまま起き上がれず、多くのスタッフの方に担架で休憩室に運んでいただいた。重量級の私を運ぶのは本当に大変なことだったはず。今でも大変申し訳なく思う。

最終的には救急搬送されることになったのだが、

その帰結よりも強列に記憶に残っているのは、その休憩室での恥ずかしさだった。

恥ずかしさ、其の一:

 

 

下っ腹が露出したままだった。しかし激痛で身体が動かせず、それを直せなかった。

休憩室ゆえに、私の周りを多くの人が行き交い、皆さまにお見苦しい姿を晒してしまった。本当に恥ずかしかった。

恥ずかしさ、其の二:

とにかく苦しかった。それは後で分かる肋骨骨折と肺血胸の為だが、大きくゼーゼーと苦しんでいる姿が実に情けなかった。

スタッフの方が過呼吸だと思われ、紙袋を用意してくれたが、逆に酸素が吸えず余計に死にそうになった(笑)スタッフさんの善意であるのに、この紙袋を拒否しているのも辛かった。「苦しいのはおそらく過呼吸のせいではない、自分でそれは分かる」という事を説明もできず、ただ駄々っ子のように拒絶していることが恥ずかしかった。

恥ずかしさ、其の三:

これだけ動けないにも関わらず、救急車を拒否し続けていたw。殿も一緒にレッスンに出ていたし、車もあるわけだから自分で病院には行きますと、しばらくは言い張っていた。これもまた駄々っ子的…。

そもそも指導員の方々に担架で運んでもらったのも恥ずかしかった。頭の中では「重いでしょう、すみません(´-∀-`;)」とばかり思っていた。恥ずかしさで目も明けられず、誰に運んでもらったかも見ていない。

ということで、痛みよりも恥ずかしさが勝った落馬であった。

 

痛みについては…、肋骨骨折は呼吸するだけで激痛を伴う。痛すぎて呼吸ができない。しかし呼吸をしないと苦しくなるから吸う。すると激痛…、これを繰り返すw。

人生初の救急車は「痛かったw」。担架の上で身体が揺れる度に、折れた肋骨が悲鳴をあげる。救急隊員の方が時折「痛いですよね、もう少し頑張ってください」「折れてますよ、間違いなく」などと声をかけてくれていた。

今回はこの辺りで終わろう。

次回は「落馬:病院編」。ここでも恥がついてまわる。

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