2011年Alaskaキャンプ

初めて行ったキャンプはアラスカのデナリ国立公園にあるキャンプグラウンドだった。それからもキャンプを続けてはいたが、一気にその頻度が上がったのは犬を飼い始めたからである。旅行は好きだがグレートデン連れでは泊まるところがない…。

ということで、母の介護が本格的になるまでは、まぁまぁの頻度でキャンプにでかけていた。

 

先日、久しぶりに2泊でキャンプへ出かけた。帰る時間もなにも気にせず、とにかくゆっくり過ごした。最高だった。

そして、キャンプ熱が再燃…w

今回は初めてのキャンプで、さらにキャンプ旅となった11年前のアラスカ旅行を今いちど振り返って、さらにこのキャンプ熱に火をつけてやろうじゃないかという試みである。

いくつかの旅の場面をフォトブログ的に記してみたい。

最初のキャンプ地からスタートだ↓

広大なデナリ国立公園内にはいくつかのキャンプグラウンドがある。その中でもこのWonderlake Campgroundは公園内で最も奥深くに位置している。このキャンプ地に決めたのは、他よりも不便で、より自然に近く、そして唯一マッキンリー山が臨める場所だったからと記憶している。

テントはモンベルのステラリッジ。初めてのテントだったけれど、本当に使いやすくて頼りになるテントだった。

 

—ラストフロンティア— そう呼ばれるアラスカの大地。この景色である。まざまざと地球の姿を見せつけている。月並みの言葉だが”息をのむ”しかない風景だった。

デナリ国立公園は、自然保護のため一般車の通行は許されていない。公園内の移動はバスに乗る。Wonderlakeまで行くバスは一日一便しかなかった気がする。早朝、朝靄の中乗り込んだ。

1本の道路が公園内を横断しているだけである。皆このバスに大きなザックを乗せ、これからどんな体験をするのだろうと胸を高鳴らせながらガタガタと揺れる道をただまっすぐに進む。

ほとんどが我々の様にキャンプグラウンドに向かうのだが、途中、なんにも無い道中で運転手に声をかけ降りる人がいた。彼は、この広大な公園の中でひとり野営をするのだ。野営をする場合は”この一本道から絶対に野営を張っている状態が見えてはいけない”というルールがある。森林限界をこえ、険しい大地の稜線以外はほぼ見通せる公園内。彼は、そこから奥深く深くに入っていき、厳しい自然と対峙するのだ。すごい。

「動物への餌やり、接近を禁ズ」という金属板がテントサイトに打ち付けられている。

—野生は野生のままに—Keep Wildlife Wild—

そこら中に野生動物がいる。我々の方が、そこにお邪魔している存在だ。彼らを尊重せねばならない。

Wonderlake Campgroundから歩いてトレッキングに出た。ある程度は整備されたトレイルだが、我々以外に歩いている者はだれ一人としていない。いつそこに熊が出てもおかしくない道を歩く。マッキンリーはあいにく頭に雲をかぶせていたが、それでもすごい存在感だった。

広い川に出た。鮭がいるほどの深場は近くになかったが、大きな熊たちがここを自由に歩いているのだろう…。真っ白なマッキンリーを目の前に、キャンプグラウンドで作ってきたサンドイッチを大口で食らってやったw。

トレッキングの帰り道はブルーベリーを摘みながら戻る。我が殿はずっと「夢中になると熊が来ていることに気付かない」と言って見張り役に徹していたw。怖がってもいたのだが、実は正しいことである。このフィールドで摘むことに夢中になっていると、気づかぬ間に子熊と母熊の間に入り込み、事故につながることも考えられるからだ。

ちなみにブルーベリーは、Campgroundに戻ってすぐジャムにした。少量だったが日本にも持ち帰って楽しんだ。美味しかった。

野生動物も多く目にすることが出来た。

(写真の技術が全く無いことが悔やまれる…)

デナリ国立公園Wonderlake Campgroundにいた2日間は雲が抜けなかったが、帰り3日目の夕方にはその雄大な姿を見せてくれた。

大ビールメーカー・ミラーの広告「ミラーはビール界のシャンパーニュ」という謳い文句に驚いたw。

デナリをあとにし、次に向かったのは氷河トレッキング。人生初のアイゼンを装備し、視界の先の先までずっと続く氷河の上を歩いた。途中休憩の時に、はしゃぎ過ぎてガイドがこれ以上進んではいけないというところまで勝手に足を進めてしまい、少し怒られてしまった。表層には氷が張っていてもその下は大きなクレパスになっていることもあり危険だと、きちんと教えてもらった。今考えれば本当に恐ろしい行動をしたものだと反省する…。

この時ピッケルで削って食べた何万年も前の氷が本当に美味しかった。今でも間違いなく生涯一番うまい氷だったと言い切れる。時々「そんなん、そういうとこで食べたからだよ」と冷めたことを言うオッちゃんがいるが、こちらは酒のプロで、氷もずっと扱っていたのである。私が間違いないというのは文字通り間違いなく一番ということだ(と、ここで強く言っておきたい(笑)

デナリ以外のキャンプ地はすべて行き当たりばったりで入った。もう初秋のアラスカ。夕方に終わった氷河トレッキングの後、キャンプ場についた時にはすっかり日も暮れ、雨まで降りだしていた。

それでも食うもんは食うのである(笑

今でも牛はアメリカ牛しか食べません、基本w。ラヴ♥ American Beef!!

ウイスキー好きとしては買わずにいられなかったジャックダニエルのBBQソース。あまりウイスキー感は無かった気がする。普通に美味しいソースで、たぶんこれを味見したいがためにステーキ肉を買ったのではなかったか……。

雨の中、腹いっぱいにステーキを食べ、頼もしいモンベルのテント内でよく寝た翌朝、目を覚ますとでっかい山がそこにはあった。

川の方へ散歩に行くと、きめの細かい泥が川を流れていた。川岸にはその泥が重たく積もっており、触ってみると柔らかくて気持ちいい。クレイパックと同じように試しに手に塗って洗い落としてみた。ツルツルになっていたw。

移動日。次のアクティビティに向け大きく南下して見つけたキャンプ地。管理人に「熊はいるかな?」と聞くと、「ついこないだ見たばかりだよ」と答えられ、うろたえる殿(爆( ´艸`)

全然構わずに寝たアタシだが、翌朝起きると車がテントのかなり近くに停め直されていた。鍵を開けたままにし、何かあったら車に入り込もうと考えたらしいが…w

最後のアクティビティはシーカヤックだった。

帰りこそ潮が凪いだが、出た時は波が高く、カヤックごと潮のうねりに身を任せた。カヤックはこのうねりに同調するから逆に安定しているということも理解はしたが、恐怖だったw。しかしだんだん天気も好転し、南東アラスカの豊かな自然を海の上から眺め、最高に気持ちいい一日となった。

一眼レフも持ってはいたが、カヤックには持ち込まなかったため、これが小さなデジカメで撮れた限界である。アメリカの国鳥「ハクトウワシ」だ。大きかった!野生の姿を見ることができるなんて感動した!(猛禽類好き♪)

そして丸一日のカヤッキングも最後の最後、突然目の前現れたのは鯨である。渡嘉敷では何度もみたことのある鯨も、この近さで、さらにこの目線で目の当たりにしたのは初めてだった。すごかった。水面が揺れ、こちらに近づいてくる波。畏怖の念を抱きながらも、また現れて欲しいと思いながらカヤックの旅は終わった。

ここが最後のキャンプ地となった。

どんだけ呑む気なんだ?!( ´艸`)

旅中ずっと飲んでいたAlaskan IPAは美味かった。かつ一本100円という、アメリカの国内酒税はどうなってるんだ?!と思う程だったが、デイリーベースの良いビールだった。日本でも買えたらいいのに…。小さく見えてるワインボトルもリッター瓶w。

この日だったと思う。夜遅く、月明かりが映し出した遠い山の稜線の合間に、オーロラを見ることができた。

これで、アラスカの回想は終わり。

随分と長くなってしまった。

いい旅だった。まだ少しは体力も残っている。やりたいことも他にもある。釣りもしてみたいし、山も登ってみたい、馬にも乗ってみたい。我が殿はカヤックで川下りをしたいなどとも言っている。

いつか行けるだろうか…。

キャンプは良い。少しアクティビティをして、あとはゆるりと酒を楽しむ。そこがいい。酒が旨いのだ。つまるところ、目的はそこなのかもしれない……。

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