毅然としているのか、無謀なだけなのか

↑トップの画像は噛まれた一週間後、なぜか超甘えだった○○ちゃん。

馬の前で毅然としていること。落ち着いていて、何かあっても馬に「大丈夫だよ」と言える心でいること。そういう風にあろうと自らを律しているつもりである。たとえ馬のその時の気持ちが少々荒っぽくあっても、私は平静でいる。この在り方を意識している。

しかし、最近「私は毅然としているのか?それとも無謀なだけなのか?どっちなんだ?!」と考えた。きっかけは馬に噛まれたことである(;´д`)

ある日、久々に騎乗する馬を出そうと馬房の戸を開いた。すぐに耳を後ろに伏せ、目を剥いた顔をグーっと寄せ威嚇してきた。「おはよう○○、今日もよろしくね」と声をかけ、何も動じずに肩前から馬の懐に入って頭絡をつけようと思ったところ、背を向けたとたんに肩を噛まれたのだ。まぁそれも全くに気にせず(一言の声も発することなく)「はい行きますよ~」と、改めて頭絡をつけようとした。すると前脚をあげて立ち上がり、私を拒む行為を続けた為、これ以上はさらに馬の精神面を傷つけてしまうと思い、スタッフさんに馬房から出してもらうことにした。洗い場でも多少荒っぽさはあったものの、騎乗時にはとてもよく私に合わせてくれて、良いレッスンが出来た一鞍だった。家に帰り、殿に噛まれた肩をみてもらった。中々な噛まれっぷりだったらしいw。もちろん痛みもあったが、別に噛まれるのは初めてではない。私にとっては大した出来事ではなかった。↓噛まれたその日。

後日、殿と話していると「いや自分は(←私のこと)怪我が多いよ」と言う。私からすれば殿の方がよっぽどいつも危なっかしいと思う程だが、確かに考えてみれば怪我は圧倒的に私の方が多かった。これはどういうことなのか…。

毅然としているつもりの態度は、実は身の程を知らないだけの無謀さなのかもしれない…。

そんな風に考え始めた。

巡る思考は速く散漫である。毅然としていると信じられることもあれば、やはり身の程知らずで、他(この場合は馬)を思いやる思慮に欠けていると思い起こされるようなこともある。これまでの怪我を振り返りながら、あーだこーだと。ペリーウッド氏の本にも、自分の力量を越えることをしようと思わないこと、自分があってほしいように馬を簡単に変えられると思わないこと。そうしっかりと書かれている。

果たして私の今は毅然とした態度かのか、それとも無謀なのか。自分では計れない気がした。

このなんとも掴みどころのない疑問をぶつけたのは、とてもお世話になっている近くの養老牧場「ときがわホースケアガーデン」の鈴木さんだ。氏の馬講座を受け、私と馬のお付き合いは劇的に変わった。それは本当に実感しおり、今回のこのとりとめのない我が疑問にも答えて下さるとしたら氏しかいないと思われたw。

“毅然としていること、これから馬と一緒にすることをハッキリとイメージしておくこと、その馬がどういう性格であるか、そしてその時・瞬間の周辺環境がどういうものか”、すべてが複合的に関係することではあるが、毅然とした態度を持つことは大切である。そういう風な話をしてくれた。

毅然としていることで、馬がこちらに集中し次の行動へと意識を向けてくれる。

毅然としていることで、余計な不安スイッチやイライラスイッチを入れさせることなく、こちらと心を共にしてくれる。

毅然としていることで、たとえ強風が吹き荒れる日だとしても、近くで工事音が鳴り響いていたとしても、大丈夫なんだと納得してくれる。

そういう風に拡大解釈したw。

 

その上で必要なことは、「自分がこれから馬と何がしたいかをしっかりイメージすること」や、「馬それぞれの性格や気持ちの理解」であろう。

今はまだ馬と一緒に動くことで精いっぱい、というのではダメなのである。どの馬もとりあえずで付き合う、ではダメなのである。

自らが今から何をしようと思っているかをイメージし、馬をしっかりと導く存在であるためには、それなりの経験が必要だろう。また、この馬はこういう風に感じるのだろうと察してあげられるのも経験値がものをいうのだろう。

話してくれた○○氏も若い頃はたくさん怪我をしたと話しておられた。ただそのおかげで、様々なことが図れるようになり、余裕が出来、馬を導く毅然とした存在でいられているのだと。

 

怪我をすること、すなわち無謀さではないということは分かった。あとは、私の行動がきちんと経験値を積むためのものであるのかどうか……、それを見極めるには検証が必要である。

振り返ってみると、やはり慎重さに欠け、馬への思いやりよりも自分本位に動いていることが多いと反省する。また、次の行動を明確にイメージできていないことも多い。まだまだである…。

 

きっと今後も怪我をすることはあるのだろう。目指すところは、怪我をしないということではなく、きちんと経験値を積んだうえで馬に対して毅然としていられるように、内実を伴ってそうあれるような人間になることである。馬せんせい達、今後もこの未熟者への御指南をよろしくお願いいたします。痛めのお叱りも甘んじてお受けする所存でございます<m(__)m>

 

以下閲覧注意(一応、怪我の画像なので)

 

 

 

 

 

 

↓は噛まれた経過

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