ウイスキーと私、一つの区切り 先日、ゴールドのピンバッジが見慣れた白い封筒に入って届いた。開封した時は「なに?なに?」と戸惑いながら、同封された書面に目を通した。「会員継続16年以上の方に送付します」そうか…。もうそんなに経つか…。 この団体の会員になって16年以上経っている。団体の代表と初めて知り合ったのは、青山ブックセンターのビルで行われていた”よみうりカルチャースクール”でのウイスキー講座。2004年ころだったか。講師だった団体代表は土屋守氏。日本を代表するウイスキーライターである。18歳の時に氏の『シングルモルトウイスキー大全』を購入した。シングルモルトを育む土地、その製法、歴史、そしてウイスキーの基礎知識などを網羅した一冊だった。当時、ただの酒飲みでいたくないと粋がった生意気な小娘の私はこの本が大好きになった。呑んだモルトのページをめくるのもいい。ウイスキーマップを眺めるのもいい。テイスティングチャートをみるのも、コラムの様に入っていた紀行文を読むのもとにかく楽しかった。そして21歳だったか。先のウイスキー講座を受講し氏に出逢い、なぜか氏と一緒に行ったフライフィッシングをきっかけに当時有名だったシングルモルトバーで働き始め、20代前半はウイスキーどっぷりな生活となった。その後大学に入りスコットランド史で卒論を書き終え、氏が代表を務めるこの団体で職員として働いた。そこを辞めた後も、あちらこちらで助っ人的にウイスキー業界の中にいさせてもらった。そうやっているうちにアラフォーになった自分であるw。思えば長くウイスキーと付き合ってきた。それもここ2年は自宅で楽しむことと、秩父の大好きなバーで新しいウイスキーと出逢ったりすること、会員に配布されるウイスキー誌を読み、新しい業界事情をキャッチアップすることだけであった。今回このバッジが届き、今までいい経験がたくさんあったし、面白い世界にいたんだなと思い起こされた。と同時に、これが一つの区切りのように思わされたのである。会員を辞めることにした。先方としては引き続きの会員継続のために送ってくれたものであるから申し訳ない。しかし、この金色のバッジがこれまでの私とウイスキーとの関係の象徴として一つ残る。それで良い気がした。 ↑ 21歳のころw。つか、ツッチーも若いw。 ウイスキーへの愛が冷めたわけではない。今後も一人のウイスキー呑みとしてあり続けることに違いはない。ただ、なにか一つの区切りなのだ。明瞭に言い表せない私の変化である。 追記:「団体」「団体」と連呼されるため、妙な宗教団体のように読めてしまいそうである。団体の愛称”ウイ文研(スコ文研)”と書いたらよかったのかもしれない。れっきとしたウイスキー愛好家のための団体であり、宗教的な要素は一切ないことを記しておくw。