―長文である。できるだけ簡素に書けるよう心掛ける-
―不快な写真もあるかもしれないが、知りたい方がおられると思うのでご了承いただきたい―
ディーナ9歳10か月。6月半ばぐらいから調子が悪そうであった。24日外陰部から膿を確認。25日病院へ、治療開始。7月2日手術。即日退院。
時系列としてはこんな感じである。以下に詳細に記していく。
6月半ばから調子が悪そうにはしていたが、季節もいよいよ本格的に暑くなり夏バテかと最初は考えていた。例年、夏の始まりに一度食べなくなる。しかし動きたがらないのが気になりはじめた。そもそもかなりの高齢犬なので動かずじーっとしてることが多いが、さらに輪をかけて動かない。そして食欲もない。美味しいウェットフードを混ぜても食べたがらなくなっていた。気になったのはお腹の張り、ヒートでもないのに外陰部を気にすること。
まぁディーナが動かないことをいいことに若造・左馬之助は甘えとりましたが…。↓普段こんなことはさせてもらえないw。
24日深夜、様子が気になり見に行くと、外陰部からトローっと何かが垂れている。垂れた鼻水くらいの粘度と色。膿を疑いはしたが、一先ず様子見をすることに。それ以降、膿を確認することはできなかった。自分で拭っていたのだろう。お腹の張りは相変わらずで、いよいよ食べなくなり、水を飲むことも嫌がるようになった。
25日夕方、病院で諸々の症状、膿の写真・動画を見せると、子宮蓄膿症が疑われるとのこと。ただ病院が閉まる時間。詳しい検査を翌日午前することに。
26日、超音波検査、エックス線検査をし、血液検査の結果等々から子宮蓄膿症と診断される。今後の治療方針を考えなければならない。本来ならば、卵巣・子宮の全摘出手術である。
手術の負担をこの高齢犬に課すのかと考えると躊躇われた。しかもディーナは心臓が悪く、一年以上心臓薬も服用している。正直なところ、手術をして返って寿命を縮めてしまうのではないか、そもそも手術に耐えられないのではないかと思われた。だからといって投薬で治るものではない。この苦しさを伴ったまま残りの余生を過ごさせるわけにもいかない、緩和ケアもない。どう考えていいのか…。
ひとまず、子宮に溜まった膿を外に出す注射をしてもらう。2日連続でしなければならない注射だが、超大型犬なため必要量が多い。病院に1日分しかなく、明日までに近隣病院にあたって確保できるようにするとのこと。実際確保してもらった。
この時点で、手術についてはまだ決断しきれていない。ただ、手術をするにしても今は体力が落ちている。早く手術したほうがいいといえばいいが、体力が回復した方がリスクは減る。まずはこの注射で元凶となっている膿を出し、多少なりとも体力が戻ることをのぞんだ。
同夜、やはり手術について前向きに考えなければならないと考えた。それに耐えうる心臓かどうか調べなければならない。心臓の検査日を決める。1日となった。
27日、2本目の注射。早い子はすぐに膿が出始めるようだが、昨日からディーナには変化がない。膿が出ないとは即ち効かない場合もあるとのこと。ちなみにこの注射、1本25.000円。効くことを願い打ってもらう。
28日からドバドバと膿(炎症による血混じり)がでた。よかった。高い注射が効いているw。
7月1日、心臓検査日。超音波検査、心電図検査などを行う。結果、手術に耐えられそうであると。体力も少しばかり回復がみられていた。となればもう手術をやろうと、心は決まっていた。
苦しいままの余生より、短くても気持ちのいい余生を過ごしてもらわなければと。
先生も病院での手術可能な日をすぐに提示してくれた。早ければ翌日と。「では明日お願いします」と即答。ちょうど殿も休みだ。経過次第ではあるが即日退院の予定。一人で家に戻したりは難しい、体重58kg である。殿がいるのは実にタイミングがよかった。
2日、手術日。ディーナに変にストレスを与えてはいけない。病院まで送り届け「はい、行っといでー」と、何もないのよとばかりにスッと病院を離れる。手術は、お昼休憩の4時間の間に終わる予定。
手術自体も少し時間がかかったようだ。そこから麻酔が解けるまでしばらく…。18時前、やっと再会を果たす。大丈夫そうだ、目もしっかりしてるし、意思表示もはっきりしている。安心した。今後の説明を受けそのまま家に連れてかえることに。帰りたい気持ちが強いのだろう、術後2時間も経っていないのに一生懸命歩いて車まで寄ってきた。無事家に連れて帰り、ゆっくり休んでもらった。
帰ってからも小さいほうのトイレはすべて外。自ら歩いて。すごい、ディーナ。
5日、手術から3日。歩きたさそうにしているので少し長めに外へ。そしたら堰を切ったようにグングン進んで藪の中に入るは、掘るは、草食うわで…。傷口に余計な菌など入らないか心配にもなったが、どんどん良くなっていってるんだと…安堵する。
9日、術後1週間、経過良好。ついでに病理検査に出していたシコリについても、ただの脂肪で問題なし。この病気さえ全快すれば、心臓以外何も心配するところは無くなりそうだ。食欲はまだ完全には戻っていないが、良くなっていることに間違いない。
30日、抜糸の日。抜糸とともに血液検査をし、現状の把握をする。全ての値が健康を示すという快挙!老犬であるのに超健康体とのお墨付きをもらったようなものである。事実、食欲も気迫も元通りである。このままお婆ちゃん12歳くらいまで生きないかなw。
とここまでがディーナの闘病の記録である。
手術についてもう少し記したい。ディーナは出産経験もなく、ほかに手術をしたこともなかったので卵巣子宮まわりに他への癒着が無いだろうと考えられた。なので大きく開腹をする手術ではなく、腹腔鏡手術が今回選ばれた。病院にその手術ができる環境があり、できる執刀医がいたことが幸いだった。傷は、腹腔鏡を入れる小さな切開が2つと、最後に大きな卵巣と子宮を引き出す10センチほどの開腹部分だけ。術後の経過回復がよかったのも、この負担の少ない形で手術ができたことが大きかったのだろう。有難い。
手術費用は30万弱であった。ただ、これに関しては病院によってかなりの差異があると思われる。(前に行っていた病院ならば、おそらく50万近くかかっていたと思う、根拠はないが検査費などの違いから想像。)これに各種検査費用、薬代諸々がかかった。
これを記している9月、ディーナは暑さもあって長い時間歩きたがらないのと、大きい方をどこでもしてしまうというお年寄りっぷりだが、食欲満々、テレビに出るワンちゃんへの反応、若造への叱咤など、元気いっぱいに過ごしている。そして先日10歳の誕生日も迎えた。
かなりの高齢での手術、ディーナ自身がよいコンディションでいてくれたからすることができた。手術をする決断がしっかりとできたのは主治医の論理的で明瞭な説明があったおかげである。いい先生そして病院に出逢えた幸運もある。
12歳の化け物グレートデンを目指して⁉今後もゆっくりと生きていってくれたらいい。